
私が宅地建物取引士、いわゆる「宅建士」の試験に合格したのは、2016年10月のことです。
当時の私は47歳。
それまで長く携わってきたコンピューターとはまったく異なる分野でしたが、新しい知識を身につけたいと思い、宅建士資格の取得に挑戦しました。
合格から年月がたった今、当時どのように勉強し、何を感じたのかを振り返ってみたいと思います。
独学で取得すると決めた
私はもともと、分からないことがあれば、まず自分で調べて理解したいと考える性格です。
宅建士についても、資格学校へ通うのではなく、自分のペースで学習することにしました。
ただし、宅建業法、民法、法令上の制限、税金など、これまで本格的に学んだことのない分野ばかりです。
完全な手探りでは効率が悪いと考え、まずはテレビCMでも知られていた通信教育を利用することにしました。
受講料は6万円を超えており、申し込むときには正直なところ「少し高いな」と感じました。
それでも、資格学校へ通えば20万円以上かかる場合もあります。通学時間も必要になることを考え、通信教育を選びました。
最初は、まったく意味が分からなかった
学習を始めたのは、試験のおよそ8か月前です。
教材として届いたのは、テキスト3冊と問題集3冊、そして数回分の添削課題でした。
一冊一冊はそれほど厚くなく、最初に見たときには、
「これだけで本当に合格できるのだろうか」
と思ったことを覚えています。
ところが、実際にテキストを開いてみると、そこに書かれているのは見慣れない言葉ばかりでした。
宅建業法や民法特有の表現は、普段使っている日本語とは少し違います。最初は文章を読んでも、何を説明しているのか、ほとんど理解できませんでした。
「これは思っていた以上に大変だ」
それが、最初の正直な感想です。
6か月かけて、まず基礎を身につける
分からないながらも、通信教育のカリキュラムに従って、約6か月間学習を続けました。
最初は理解できなかった内容も、テキストを読み、問題を解き、解説を確認することを繰り返すうちに、少しずつつながっていきました。
通信教育は、宅建士試験の全体像を把握し、基礎を体系的に身につけるうえで役立ちました。
一方で、私はただ合格点に届くだけでなく、余裕を持って試験に臨みたいと考えていました。
そこで、通信教育の教材に加えて、市販の問題集にも取り組むことにしました。
問題集を片っ端から購入
Amazonで販売されていた宅建士の問題集を、気になったものから次々に購入しました。
写真に写っている問題集は、当時実際に使用したものです。
同じ宅建士試験の問題集でも、出版社や著者によって、問題の難しさや解説の仕方はかなり違います。
ある問題集ではそれなりに正解できても、別の問題集ではほとんど歯が立たないこともありました。
過去問題を解いたときも同じでした。
そこで私は、
「通信教育で基礎は身についた。しかし、自信を持って合格するには、さらに多くの問題を解く必要がある」
と考えました。
それからは、購入した問題集を何度も繰り返して解きました。
3回では覚えられなくなっていた
若いころの私は、同じ内容を3回繰り返せば、だいたい覚えられると思っていました。
今回も最初は、3回ほど問題集を解けば十分だろうと考えていました。
ところが、3回繰り返したあとにもう一度問題を解いてみると、思っていた以上に間違えます。
一度は理解したはずの問題でも、しばらくすると忘れていました。
当時は47歳。
「昔と同じ覚え方では通用しない」
そう実感しました。
しかし、覚えられないのであれば、覚えられるまで繰り返せばよいだけです。
最終的に8回繰り返した
最終的に、私は問題集を8回繰り返しました。
正解した問題も、間違えた問題も、何度も解き直しました。
回数を重ねるうちに、単に答えを覚えるだけでなく、
- なぜその答えになるのか
- どの条件が変わると答えも変わるのか
- 問題文のどこに注意すべきなのか
ということまで理解できるようになりました。
8回目を終えたころには、初めて見る問題でも、根拠を考えながら答えを選べるようになっていました。
そこでようやく、
「これなら試験を突破できる」
という自信を持つことができました。
登録実務講習に相当する講習も受講
試験前には、実務経験2年以上と同等の扱いを受けられる講習にも申し込み、約2万円を支払いました。
申し込みの際には、講習を実施する会社の担当者から、
「宅建士試験に不合格だった場合でも返金はできません」
と念を押されました。
もちろん、私には合格するつもりしかありませんでした。
そして、無事に合格
結果は、無事に合格でした。
まったく意味の分からない状態から始め、通信教育で基礎を学び、市販の問題集を何度も繰り返しました。
47歳になってからの勉強は、若いころのようにはいかない部分もありました。
それでも、年齢に合わせて方法を変え、必要な回数を繰り返せば、新しい知識は身につけられます。
宅建士試験への挑戦を通じて、私は改めてそのことを実感しました。
年齢ではなく、覚えるまで続ける
年齢を重ねると、以前より覚えるのに時間がかかることがあります。
しかし、時間がかかることと、できないことは別です。
3回で覚えられなければ、5回繰り返す。
5回で足りなければ、8回繰り返す。
自分に必要な回数を続ければよいのだと思います。
宅建士資格は、不動産に関する知識だけでなく、契約、権利関係、法令など、仕事や生活にも関係する幅広い知識を学べる資格です。
私にとってこの挑戦は、資格を取得しただけでなく、
何歳になっても、学び続けることで新しい分野へ進める
という自信を得られた経験でもありました。
